シナモンガールは木製の夢を見る

桑原甲子雄写真展の思い出

恵比寿の東京都写真美術館に立ち寄ることは、買い付け時の楽しみの一つである。平成13年の春、何の気なしに見た桑原の写真群に受けた衝撃は一過性のものではなかった。写真を見ることは、二十歳頃から好きだったが、自分で撮影者になろうとは思わなかった。カメラの扱いが難しいので、逆に敬遠していたくらいなものだ。

同年夏、友人から譲り受けていたcanon AL-1という安いマニュアルカメラを本棚から取り出した。電池を入れなければシャッターも切られないことを知って、驚いた(機械式カメラ云々は省略)。

http://www.asahi.com/obituaries/update/0204/TKY200802040101.html?ref=rss
昨年の12月に94歳で亡くなっていたそうだ。老衰というから、大往生だったのだろう。

僕を写真の道に引きずり込んでいただいて、本当に感謝するほかない。
公のお別れ会があれば、仕事を休んでも、遠巻きに参加したいくらいだった。
何れ開催されるであろう、追悼写真展には、是非とも足を運びたい。
朝刊のお悔やみ欄を、子供たちに見せて、このおじいさんがいたから、お父さんは写真を撮り始めたんだよ、と僕は小さな声で言った。

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